会長 挨拶

京都府糖尿病協会について

わが国では、現在、糖尿病の人は約1千万人、予備群を併せると約2千万人に達し、戦後約40倍にまで増えています。糖尿病による合併症にはさまざまなものがありますが、腎症としては成人の透析導入原因の第1位、網膜症としては成人の失明原因の第2位を占めています。また、心筋梗塞や狭心症、脳卒中といった大血管障害、歯周病、認知症、がんのリスクも高くなります。このように、糖尿病は現在社会において深刻な問題となっており、糖尿病の発症を未然に防ぎ、また糖尿病が発症しても、血糖コントロールを良好に保ち、合併症の発症・進展を防ぐことは極めて重要な課題です

昭和34年に京都大学医学部附属病院栄養治療室助手の榊田 博先生の提唱で、京大病院の糖尿病患者の有志によって「糖尿病教室」が設けられ、ここにおいて「糖尿病定期検診、治療指針の学習、患者および家族間の親睦など多くの成果が挙げられ、「京大病院みどり会」の礎となりました。一方で、昭和34年に京都府立医科大学第一内科教授(当時 助教授)の吉田秀雄先生に受診している患者の有志が、外来診察日からその名をとって自ら「水曜会」という患者の会を作り、共同して養生することになり、吉田教授以下教室の医師が顧問として指導しました。このように、京都府ではたまたま京都大学に「みどり会」、京都府立医科大学に「水曜会」の二つの患者会が、それぞれ独立して組織され、それらが基盤となって、昭和35年に全国に先駆けて、「糖尿病及びその予防、治療についての啓蒙並びにその助成をなしかねて会員相互の親睦を図ること」を目的とした京都府糖尿病協会が結成されたのです。その後、昭和36年になって日本糖尿病協会が発足し、全国の都道府県に協会が出来ました。これまでにも、第4代理事長の近藤 正様が平成12年から日本糖尿病協会の理事長を務められ、その後、第9代会長の清野 裕先生が平成16年から現在に至るまで、日本糖尿病協会の理事長を務められるなど、今でも京都府糖尿病協会は全国の中でも最も精力的な支部として活動に取り組んでいます。

京都府糖尿病協会は発足してから64年になりますが、現在、27の患者会と1,635名の会員を有し、多くの医師や医療スタッフが、京都府や京都市、京都府医師会や日本糖尿病学会をはじめとするさまざまな団体と連携しながら、常に先進的な取り組みを行い、糖尿病の啓発活動に行っています。糖尿病の発症・進展を防ぎ、糖尿病があっても健康な人と変わらない生活を送られるように、今後も活動を行ってまいる所存ですので、皆様のご指導・ご鞭撻をよろしくお願い致します。

京都府糖尿病協会会長 福井道明


お問い合わせ先 / 京都府糖尿病協会

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